1952年からの国内株式のばらつきを見ると、1年で倍になってる年が2回あった
投資で正規分布というと、株式や債券、投資信託などの金融商品の価格変動に関し、ある期間における日次や週次、月次など一定刻み間隔のリターン(騰落率)の大きさの頻度が、平均リターン(期待リターン)を中心軸にして左右対称の形状を描く度数分布ということになるかと思います。
「アセットマネジメントの世界 第2版」を読んでいたら国内株式のリターンのばらつきのデータで面白いものがありました。
国内株式の各年のリターンのばらつきを66年分見たものなのですが、意外とマイナスの年は少ない。
それどころかマイナス方向で突き抜けた年もなかったんですね。
国内株式のばらつきを見るとプラスで突き抜けたことはあるが、マイナス方向で突き抜けたことはない
東証1部上場企業の株価指数のトータルリターンを1952年から2018年まで毎年計測して、分布を表したのが以下の図になります。

プラスで大きく突き抜けた年が1972年と1952年で1年間で東証1部上場企業全体の株価が倍になったということです。
では、マイナスの方を見てみると2008年と1990年が突き抜けています。
ただし、100年に一度の金融危機と言われた2008年リーマンショックの株価暴落も-2σの範囲内。
2000年以降だと2005年と2013年が大きくプラスという結果。
連続してマイナスになった時期が1996~1998年と2000~2002年固まっています。
アジア通貨危機、不良債権処理、ITバブル崩壊の影響を受けた結果とも言えますが、氷河期世代が発生するのもわかるデータだと思いました。
ちなみに1952年から2018年までの算術平均で13.2%で、分布の広がりを表す28.8%。
毎年の株価変動を事前に予測するのは難しいということを表しているデータとも言えますが、逆に言うとプラスの上位の方にある1999年、2005年、2013年は割と連続してマイナスの年が続いた期間の後。
それを考えると今後複数年マイナスが継続した場合は逆に投資をする好機ともいえるのかもしれません。


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