ハワード・マークス「世界金融危機以降で有数の好機が訪れる」
著名投資家というと色々いて、やたら日本のメディアで取り上げられるけどポジショントークじゃないかという人もいますし、中には毎回記事を読むと同じ人物が通訳していて本の販促というパターンもあります。
ディストレスト債投資を手掛けるオークツリー・キャピタル・マネジメントの共同創業者ハワード・マークス氏は、「市場サイクルを極める」「投資で一番大切な20の教え」など個人的に共感できるものが多いです。
シンガポールで投資家に向けて述べ、その後のブルームバーグニュースとのインタビューでも同様の発言を行ったそうなので、かなり踏み込んだ発言をしている印象です。
個人的に来年早期にどうかと思うのですが、長期で見ると正しいんじゃないかと。
世界金融危機以降で有数の好機が訪れる
マークス氏の見解は以下の通り。
- 米国のインフレ率はピークを付けた公算が大きいが、金利は今後5年から10年にわたって5%近辺にとどまると予想。
- 消費者の志向変化と借り入れコストの上昇で、多くの企業が「深刻な苦境」に陥るとみる。
- 「1年前は見通しに全く陰りはないと考えられていた」が、今は投資家が「もう駄目だと考える地点に達しつつあると思う」
- 銀行がブリッジローン取引で被った損失がクレジット市場を傷めていると指摘し、一つの例としてイーロン・マスク氏のツイッター買収に絡む案件を挙げた。
個人的に金利が5%近辺で5年以上というのは違うかなと現時点では思います。
一方で、マークス氏は「経営的に行き詰まりを見せた企業、経営破綻に直面した企業の社債などの債権で、本来の価値より著しく安価になっている」ディストレスト債投資が専門。
その専門家が金利に関して言及しているのだから、その可能性もあるのかなくらいの意識は持っておいた方がよさそうです。
素人の我々が底を判断するのは非常に難しいと考えますから、それならとりあえずひたすら入金→投資を繰り返していけば、サイクルが回ったときに一気に突き抜けられるかなと。
個人的に市場サイクルを極めるで書かれていた以下のことは意識したいですね。
- ジョン・ケネス・ガルブレイス「金融にかかわる大惨事が起きても、あっという間に忘れ去られてしまう。さらにその結果、同じ、あるいは非常によく似た状況が再び生じると、それは金融業界、そしてより広い経済界における輝かしい革新的発見として、新しい世代に大歓迎されるのだ。そうした世代とは、だいたいが若く、そして例外なく自信に満ちあふれたもの達である。」
- バフェット「他人が慎重さを欠いているときほど、自分たちは慎重にことを運ばねばならない。」
- もし完全に効率的な市場というものがあるのなら、そしてもし人々が感情を排し、冷徹な計算に基づいて判断を下すなら、サイクルは消滅するかもしれない。だが、そんなことはあり得ない。
- わたしの考えでは、ポートフォリオをある時点で最適な形で組むには、攻撃性と防御制のバランスをどのようにとるか決めることが最良の方法である。
- 投資リスクの最大の源は、リスクはないという思い込みだといえる。リスクに寛容な姿勢が広がることは、その後の相場下落を示唆する何よりも有力な前触れとなる。
- リスクへの対処について投資家がどう考えているかを理解することは、追求すべき物事の中でおそらくもっとも重要なことである。
- 信用サイクルに対処する上で重要なのは、すべてが順調な状態がしばらく続いており、良いニュースが絶えず、リスク回避志向が薄く、投資家が意欲的なときに、サイクルが頂点に達するのだと認識することである。
- もっとも留意すべき点は、同じタイミングで心理、信用の利用可能性、価格、リスクのそれぞれのサイクルが頂点に、潜在リターンのサイクルが谷底に達すること、そしてだいたいの場合、最後の買いの激流と同時にこれらが起きることである。
- 下落し始めた後で市場から撤退することは、まさしく投資における大罪なのである。
株式も債券も金もドル建てでマイナスの状況ですが、この5年でイナゴが群がり食い尽くされて下がる事例を結構見ました。
その意味で好機ということはいまイナゴが群がってないものに投資をするタイミングなのかなと記事を見て思いました。


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