浜中淳著:奇跡の小売り王国 「北海道企業」はなぜ強いのか
わたしが住んでる場所はスーパーから離れていて、コンビニも1店舗潰れたせいで、一番近い店がドラッグストア。
ですので、日用品はそこで買ってるんですけど、品揃えがよろしくないんですよね。
どうしても福岡のディスカウントストアとかドラッグストアと比較するのですが、他の店舗来ないかなと思ってしまうんですよね。
そんな中、他の企業でもいいので近くにできないのかと思ってる中、「奇跡の小売り王国 「北海道企業」はなぜ強いのか」を読みました。
著者は北海道新聞経済部長を務め、長年業界を取材してきた著者で、北海道企業のなりたちと関係性が理解出来る本でした。
とくに札幌都市圏を除けば人口過疎地帯だからこそ、「真の顧客本位」の多くの小売り企業が生まれたというのは興味深いなと。
取り寄せるのに膨大な時間とコストを要する「小売り不毛の地」北海道だからこそ、乗り越えた企業は他地域に進出できた
家具・インテリア販売で日本一のニトリ、ホームセンターで10年以上にわたって業界首位に立ったDCMホールディングス、ドラッグストア2位のツルハ、食品スーパー4位のアークス、イオン北海道、調剤薬局で売り上げ日本一のアインホールディングス、そしてセイコーマート。
これらの企業の成り立ちや多くの起業家・創業者が、不況下の北海道を舞台に切磋琢磨する状況が描かれています。
生き残った企業の中には拓銀破綻の影響を受けてる企業もありますが、拓銀の出資比率が低かったりして助かったおかげでその後飛躍してたりと巡り合わせもあったかなと思います。
その中で、商品を取り寄せるのに膨大な時間とコストを要するので小売不毛の地だったからこそ、配送網を強化したり、合併・統合などで力をつけてきている事象は今後過疎化が進む他の地域でも参考になる点はあるかもしれません。
また、生協が他の地域と比べて強いというのも過疎地ならではという印象を持ちましたし、人口規模によってカバーしている店舗が違うというのも印象に残りました。
セイコーマートは関東にも一部あり、話題になってましたが、「セコマ」ブランドの食品、菓子、乳製品、酒を製造し東京、大阪はじめ全国のスーパー、ドラッグストアで販売しているのは経営的に上手いなとも思いました(北海道の物産展の売上は他の地域よりもいいようですし)。
個人的に北海道企業の中で、印象に残ったのはツルハですね。
対称的に西から東に進出して茨城まで来ているコスモス地盤の福岡にツルハがぽつぽつできてますが、同じ福岡のドラックイレブンと組んでたり、イオンと業務提携しながらつかず離れずなのを見ますと興味深い存在だなと思いました。
創業者が高齢化しているのと今後の北海道の行方は気になった
とここまで見てきましたが、結構創業者が高齢化しているのと今後の北海道の行方は気になりました。
ニトリもホームセンターに進出してきてるのは理にかなってるのですが、経営目標達成の方に目が行きすぎる懸念点もあるかなと。
他の企業も割と創業者や経営者が高齢化している企業は後継者大丈夫なのかと(ツルハとセコマは代替わりしてますが)。
あと北海道の今後という視点はあまり触れられてないので、そこはちょっと気になりました。ペガサスのチェースストア理論も今の時代に合ってるのかというとう~んという気もしますし。
ともあれ他の地域に進出してきている北海道企業の歴史を知る上でオススメできる本だと思います。


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