カタールワールドカップ総括 交代枠が増えて奇襲がはまりやすくなる。
1ヶ月間にわたったカタールワールドカップが終わり、ようやく通常の規則正しい生活に戻った感があります。
従来と違って冬開催となったわけですが、スコットランドリーグは既に再開。
ワールドカップ出た選手も出場してましたし大変やなと。
日本人期待の若手については先日記事にしましたが、決勝まで終わっていろいろと勢力図の変化や傾向も見えてきましたので、記事にまとめてみます。
今大会から見えてきた傾向
個人的に感じた印象は以下の9点。
- メッシの大会となったが、間違いなく現在世界一の選手はエムバペであることが証明された。
- 欧州から故郷に戻ったまたは無所属の選手の衰えは隠せなかった(例:スアレス、クリロナ)
- ボールの保持率がそのまま勝利に直結しない。シュート数が極端に差がなければひっくり返るケースが結構あった。
- 交代枠5人に増えて奇襲がはまりやすくなる。
- とくにワンパターンで何をやってくるかわかりやすいチーム(例:スペインやドイツ)は、僅差且つ交代枠複数で奇襲をかけるとパニックになる傾向あり。
- オフサイドラインが厳密に取られるためオフサイド覚悟でFWは飛び出しにチャレンジする価値がある。
- 故に守りを固めるケースも増加が予想され、個人で打開する攻撃的、俊足系、ドリブラーな選手の価値が高い。
- アジア勢が躍進したが、自力をつけた(ソン・フンミンがプレミアで活躍、日本人選手がドイツで増殖)のもあるが、アジアカップなどカタール開催になれていたのもある。
- ティキ・タカ(バルセロナ仕込みのパスサッカー)は前回大会同様退潮
わたしは基本的にフランスとオランダが代表チームの中では好きですが、流石に決勝のカード見たらメッシにW杯を取らせたいと思いました。
まぁ、2-2で目が覚めてスコア推移的にフランス勝ちそうと思って寝たら、多分98年から見てる私からしてもベストな決勝だった印象です。
今後の展望をすると、怪我人いながら決勝もPK負けだったフランスは監督がジダンになるかもしれませんが、世界選抜的にトップを維持しそうな感じ。脅かしそうなのはイングランド、南米は対欧州に対して不利なのは続きそうです。
あとルールでPKとオフサイドがVAR、交代枠5人で、とくに延長がないグループリーグでは僅差や同点で奇襲を仕掛ける価値が高まってると思います(逆にいえば強豪国はさっさと前半で点差つけないと焦りと合わさって奇襲がはまりやすくなる)。
そのためにも基本軸からプランA~Dに代える引き出しが必要ですし、本番までプランを見せないのも戦術としてありになるかもしれません。
やはりクラブチームと違って戦術・連携を深める時間は限られてますから、個人の能力以外のチームとしての団結とかのファクターも高くなる傾向にあるんじゃなかろうかと思う大会でした。
4年後も日本代表に求められるもの
では、それを踏まえた上で日本代表として取り組む点は以下かなと。
- 選手層を更に厚くする。
- 海外所属の各人はクラブチームのステップアップ
- 攻撃の引き出しの強化
- センターバックのできるサイドバック、サイドバックもできるウインガー(攻撃的MF)の育成
- MF3枚の理想郷はモドリッチ、コバチッチ、ブルゾビッチの3枚で、幅広く動き回りつつ、互いの役割を状況に応じて受け渡しながら、サッカー的に機能させる組み合わせ。
- 勝負所でクレイジーにプレスのかけるのは今後も取り組みたい。
- 五輪世代の人材を五輪代表から適切にピックアップする。
結局のところベスト16はガス欠気味だった南アフリカ、ロシアと違って選手層は格段に厚く、交代カードも有効なものが数枚あったのですが、久保と板倉が出れなくなったしわ寄せがPK負けに至ったと言えますから、両サイドバックと吉田が代表引退した後さらに補強するくらいのものが必要かと思います。
そのためにも海外所属の人はアーセナルの富安はともかく(そりゃ移籍金発生するなら地元のアビスパに大金が入るのでバイエルンとかにいってもらって構いませんがw)、フランクフルトの鎌田、フライブルグの堂安、ソシエダの久保あたりは、次の大会が脂ののる時期ですから、いまの所属もいいチームですけどもう1ランクのステップアップを期待したいところです。
あとは戦術面に関しては監督続投の場合の攻撃面に関してはコーチ変える必要があると思いますが(上田とか五輪の時から特徴をわかってもらえてない)、3バック⇔4バックは今後どんな相手でも有効になりますし、クレイジーにプレスかけるのも勝負所ではやりたいところ。
その意味でセンターバックできる高さのあるサイドバックと守備できるウインガー(攻撃的サイドのMF)の人材はもっと欲しいところ。個人的には日本が目指す中盤の形はモドリッチ、コバチッチ、ブルゾビッチのクロアチアの3枚だと思いますが。
最後に三笘は4年前まだ筑波大だったわけで、川崎が上手く育てたのもありますけど、大学時代から五輪代表に呼んで国際試合に出し続けて鍛えたのもあるかと思います。
もちろん自国開催の五輪があった世代ということは留意が必要ですが、4年後に向けて若い有望な選手を適切にキャッチアップして積上げていくということも必要なのかとこの4年を振り返った意味で考えました。
ともあれベルギーに逆転負けして膨れ上がった欲求を、今大会はドイツとスペインという優勝国に勝って満たしてもらいさらに欲求は高まりました。
次の大会は出場48チームに増えて大会が変わりますけど、楽しみにしたいと思います。


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