年間パフォーマンスがマイナスでも株式や債券ETFに資金が流入していた、2022年の米国上場ETFの資金動向
2021年の後半にかけてインフレが騒がれる年で、グロース株も一時期より勢いないという印象がありましたが、それが継続して悪化したのが2022年という感じでした。
ということは債券とか金が・・となるところなのですが、債券もつられて下がり、金も春以降は横倍と厳しい相場の1年間。
では、それ以外でなにかアメリカ市場で兆候はないのか?
兆候を見るのに指標になるのではないかということで、半期に一度世界最大の株式市場であるアメリカのETFの資金の流れを見てます。
では、半年経過した中、2022年はどうなったのか?
2022年米国籍ETF資金流入トップ10
まずは2022年の米国籍ETF資金流入トップ10を見てみましょう。

VOO、VTI、IVVの順で米国株ワンツースリー、バンガードのワンツーフィニッシュとなりました。
同じS&P500でもVOOとIVVでダブルスコア近い差があります。
一方、調子は悪くなかったバリュー株がランクインしているものの、5位から7位にTLT、BND、BIVと株式同様下がった米国債ETFがランクイン。
これを見るとそろそろ上がるだろと考えている人がそれなりにいるという結果のように思われますね。
なお、S&P500などよりもさらに激しく下落したNASDAQ100のレバレッジ3倍TQQQは年間でも9位にランクイン。
根強い人気があるようですが、債券関連が上位に来ているのを見ますと、仮にこのまま景気後退となった場合にまだ底がありそうな気がするのですけど・・
2022年米国籍ETF資金流出トップ10
一方、流出しているETFは2022年どうなっているのか?

流出トップはS&P500のSPYですがこれはIVVやVOOの方が低コストなので上位に来てるのはあるかと。
で、2番目以降TIP(物価連動国債)関連がちらほら見受けられるんですよね。
利回りがかなりの値までいってましたけど、流石にインフレピークつけたという感じでしょうか。
優先株のPFFが入ってたり、戦争の震源地欧州株のVGK入ってるのも傾向的に気になるところです。
2022年下半期の流出入トップ10
年間で見てみましたが、では2022年下半期でどうだったかというと以下の通り。

こちらの方が傾向が顕著に出ていて流入の方に債券ETF(とくに長期債のTLT)が目立っています。
そして流出は年間の傾向同様物価連動国債TIP関連が上位で、さらに金ETFも。
パフォーマンスは債券と株式が下がる中ではほぼ横ばいでマシだったのですけど、ちょっと気になる傾向ではあります。
ともあれ債券にも株式にも厳しい2022年とはいえ、主要な米国株ETFと米国債ETFへの資金の流入が目立ちました。
この傾向が3か月→半年スパンでどう変わるか注視したいと思います。


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