低PER、低PBR、高配当は裏切らない?ジム・カレン著「長期的バリュー投資の基本と原則」
去年も「バリュー投資達人への道」など、バリュー投資関連の本をぼちぼち読んでいました。
まだそこまでバリューの時代だとイナゴが群がってないので悪くない時期かなと思いますし、色々と考えを読んでおこうかなと。
今年の読んだ本の中ら紹介の一冊目はどうしようかと思いましたが、ジム・カレンの「長期的バリュー投資の基本と原則」にしました。
そんなジム・カレンは「低PER、低PBR、高配当は裏切らない」と説くのですが、本の中のデータを見てるとなるほどなと思うところや、意外なものが多くありました。
5年スパンで見ることの重要性
この本はかなりの章に分割されていて1章毎の分量は小さいものがあるのですけど、2章のバリューの規律のデータは非常に貴重なものでした。
しかもデータが1968年~2020年とかなり最新までの長期のデータが載ってます。
興味深かったのは、S&P500、PER下位20%、PBR下位20%、利回り上位20%の4区分でパフォーマンスを比較したもの(順位は年末の株価から算定)。
年平均で並べるとS&P500が10.3%、PER下位20%が14.6%、PBR下位20%が13.9%、利回り上位20%が12.4%とPER、PBR、利回りの戦略は有効だったということが示されてます。
ただし、年によっての傾向はまちまちで年間マイナスだった年にS&P500より3つの戦略とった方がマイナスの年も散見されました。
これに対して5年単位で見るとボラティリティが大幅に低減するデータが示されてました。

直近のものを抽出していますが、思ったよりもバリュー株がグロース株に負けてないという印象ですね。
なお、グロース株(高PER)が優勢の場合、バブルだったということが書かれているので、このデータ移行どうなるかは考えておいた方がいいのかもしれません。
ちなみにS&P500から低PERなどを抽出したパフォーマンスのデータが多いのですが、以下のように5年冴えなかった銘柄の次の5年はパフォーマンスがいいというのは面白かったですね。

ただ、このデータ気になったのは、これだとS&P500から外された銘柄の扱いどうするんだろ?というのがあるの迷いどころですが。
加えてコカ・コーラやマクドナルドあたりはいいと思いますが、IBMとかインテルみたいにハイテク株からダウの犬常連になるような企業だとどうなるんかなという気がしました。
ともあれ興味深いデータが多かったので、面白いなと思ったデータは追って紹介していければと考えています。


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