1940年~2019年の米国市場の配当は利益成長よりもスムーズで、ボラティリティが低い
S&P500組入れのPER下位20%、PBR下位20%はパフォーマンスがいいということを説いてる「長期的バリュー投資の基本と原則」ですが、これは利回り上位20%と書いてありました。
では、配当にフォーカスしたときにリセッション時の配当とかどうだったんだというのは気になるところです。
ジム・カレンが低PERや低PBRと同様に1940年~2019年の配当を調べたところ、配当は利益成長よりもスムーズで、ボラティリティが低いそうです。
1940年~2019年の配当を調べたところ、配当は利益成長よりもスムーズで、ボラティリティが低い
1940年~2019年期間のS&P500とその配当推移を表した図(図名がS&P500の配当)が以下になります。

これを見ると配当は利益政調よりもスムーズで、ボラティリティも低いことがわかります。
そして網掛け部分が過去のリセッションの期間になりますけど、ほとんどの期間で配当が増えていた傾向が見えました。
例外としてはリーマンショック時の2009年~2010年になるのですけど、これは銀行が政府の不良資産救済で配当を減少させるか、無配になることを強いられたためと著者は書いていました。
それ以降は実際に増えていますし。
では、株価が大きく下落した期間はどうだったかというと、まずは政策が大きく転換した1973~1975年。

株価は半分になっていて、企業の利益も同様だったけど、S&P500の配当は増えていたとのこと。
もう1回は1980年前後で、金利が20%まで引き上げられて、PERの倍率が史上最低水準まで売込まれた時期になります。

あまりにも綺麗に増えていってるので若干疑いたくなりますが。
大型株がこれだと中型株、小型株でどうだったんだろ?と思うところはありますけど、去年米国株ETFの配当が株価下がってるのに結構増えてたのでこういう傾向はあるんだろうなと読んでいて感じました。


フォローする Follow @garboflash
更新情報を受け取る

- 関連記事
-
- ジム・カレン「長期的バリュー投資の基本と原則」によると、小型バリュー株はダウンサイドリスクを低減する一助となる
- 1940年からS&P500の利益はおよそ10年ごとに2倍になっている
- 1940年~2019年の米国市場の配当は利益成長よりもスムーズで、ボラティリティが低い
- バリュー投資観点から見たバブル時のグロース株の5年後10年後パフォーマンスは今回も当てはまるか?
- バリュー株ETF(SPYV)にいつの間にかメタやAmazon、Netflixが組入れられてる件