iPhoneの構成部品の生産と組み立てを米国内ですべて行っても原価は100ドル増える程度?「新しい階級闘争 大都市エリートから民主主義を守る」
「資本家」対「労働者」から「大都市エリート」対「土着の国民」になってること。
そして左右ではなく「上下」対立の時代になってることを説いていて、ポピュリズムに関しても現象と書いてるのが印象に残りました。
個人的に印象に残った点を整理すると以下の通りでしょうか。
iPhoneの構成部品の生産と組み立てを米国内ですべて行っても原価は100ドル増える程度?
書いてある内容で気になったのは以下の点ですね。
- 上のエリートと下の労働者に分け、地域を都会(ハブ)と地方(ハートランド)に分かれている。
- 規制緩和や人件費削減による労働組合や民間団体の弱体化により一部新自由主義的エリート集団が専横
- メディアや活動家もまた、資本家から支援を受けているインサイダー側であり、分断拍車に加担している。
- マルクス主義的階級闘争ではなく、各労働者層への権力分配による交渉力強化と拮抗力による民主的多元主義の再構築の必要
- 現代のポピュリズムは慢性的な対抗性疾患に対して生体が示すある種の発作的な自己免疫反応である。
- iPhoneの構成部品の生産と組み立てを米国内ですべて行っても原価は100ドル増える程度
- iPhone Xは粗利益率64%で、中国人労働者の人件費は極めて低い。
- 例えばiPhoneを完全国内生産にしたとして、アメリカの消費者が深刻な不便を感じることはないだろうが、アメリカ人労働者を雇用することによる人件費はアップルの利益率を押し下げる可能性がある。
- ベーシックインカムは多くの欧米諸国で試みられるに違いないが、大規模な現金給付案は多くの理由から絶望的。
- ロボット税はロボットが広く社会に浸透した場合、コモディティ化したロボット産業は福祉国家を支えられるだけの利益を生まないかもしれない。
- 庶民層の利益や見解を代弁し、政治に反映させる拮抗力が必要なため、労働組合など様々な中間団体を再生させる必要がある。
悪くない例として日本・台湾・韓国を上げて、欧米は南米のようになるかもしれないとまで書かれてるのですが、東アジアの少子高齢化の進み方は速いので、どうなることやらと思いましたね。
とくに日本も東京近郊とそれ以外じゃ違いがあると思いますし、
個人的には地方から出ていった人間だけにそれを強く思うのです。
対策としては庶民層の利益や見解を代弁し、政治に反映させる拮抗力が必要なため、労働組合など様々な中間団体を再生させる必要があるなのですが、これは一概にいい方向にいくかというと微妙な感じもしますがねぇ。
解説の人もそううまくいかないし大変というのはその通りですし、アメリカのハイテク企業は行き過ぎてるというのはあるでしょうけど。
iPhoneのデータはiPhone X時代のデータが混じってるのでいまはもうちょいコストかかる気がしますが、原価はそこまで増えないようです。
ただ、利益率下がる、株価下がるとなった場合に、401kが影響受けるというルートもあるだけに、租税回避地利用とかもなかなか政府がぎちぎちに規制できないのでなかなか難しいでしょう。
ちなみにベーシックインカムに関してはロボット税含めてうまくいかない理由はわかりやすかったです。
人工が一定規模いるどこかの国が先行してやってみるといいのですが・・アメリカは人工的に無理とも書かれてました。
ともあれ現状の分断の問題を的確に指摘した本だと思いました。


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