中澤克二著「極権・習近平 中国全盛30年の終わり」
日経電子版で中国絡みでかなり厳しい論調が載っていることをちらほら見かけます。
そんな記事を書いてる中澤克二氏の「極権・習近平」を読みました。
関係者(もちろん名前あかしたら粛清)のコメントは全部鵜呑みにできないのですが、ある程度は信用していい内容だと思います。
中国全盛30年の終わり?
歴史上のさまざまな事象全てを、習近平の思考の流れ、時代の流れ、世界の事象、歴史と結びつけながら、なぜその判断だったのかを分析し、記録している一冊になります。
胡錦涛退場に始まり、ウクライナ侵攻が中国に与える影響、新型コロナウィルスに関する発生時の状況、習近平政権が台湾や香港にもたらしたこと。
加えて米中・日中関係の現在地など、3期目を迎える習近平政権が世界に与えていることとその背景にあることを分かり易く解説しています。
2期10年という中国の慣例を破り、毛沢東と鄧小平に並び、それを凌駕する存在になろうとすることへの執念はどこからくるのやらという感じです。
で、そのために徐々に体制を自分寄りにして100%身内の体制なのですが、それで世代交代の芽を摘むような人事をやっているため、日本の内閣ですらいる1970年以降の生まれがいない状態に。
過去の政権が積み重ねて来たことが、現在の中国の繁栄につながっているのにそれを毀損しかねないような動きが出ているのは注意かと。
一応、フォローをすればロシアと違って政策を微修正は行えてるのでまだマシという面はあるかと思います。
とはいえ絶対アメリカ経済超えるんだという状況になった場合に、おかしな統計やら数値が出てくるので真相は闇の中な国に投資するのは非常に難しいですね。
コロナ対策を都市封鎖と、反発する暴動で180度転換とかやるのを見ますと、あまりいい方向に行ってるようには思えません。
経済政策は明らかに過去30年とは違う方向に行きそうですし。
ともあれ直近の10年で中国がどういう状況に変わってるかと考える上で有意義な一冊だと思います。


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