米国株におけるボラティリティの変化が長期的にポートフォリオのパフォーマンスに及ぼす影響
低ボラティリティというファクターの1つが6,7年前くらいに注目されて、東証でも複数のETFが上場されることがありました。
しかし、株価が下がった時に下落耐性は示しているけど、それは増配やらバリュー株の方があったりしたというのもあり、あまり話題にもならなくなりました。
では、実際のところボラティリティと配当やら株価への影響はどの程度あるのか。
「株式投資のテクニカル分析補完計画」の10章丸々使ってボラティリティの重要性が説かれました。
ボラティリティとEPSや配当は逆相関
S&P500の低ボラティリティ指数とS&P500の比較が以下の通り。

下方の動きをかなり抑えつつ、上方の動きは捉えていて、期間が長くなると上方のキャプチャー率は0.67→0.95、下方のキャプチャー率は0.63→-0.13と改善します。
一応S&P500の低ボラティリティ指数とS&P500のパフォーマンス比較すると、S&P500の方がパフォーマンスいい傾向はあるんですが。

ちなみにボラティリティが25日平均を上回ったとき(ボラティリティの上昇)に投資した場合と、下回った(ボラティリティの低下)ときに投資した場合の比較表は以下の通り。

この結果を見ると、ボラティリティが高井時期の投資は長期的に見れば不要なリスクを招いて、ポートフォリオのパフォーマンスを低下させると言えそうです。
ちなみにシロキー氏は年率ボラティリティが100%以下の株のみを買うと良い、100%以上の株は1年のトレードですべての価値が失われる可能性があるとまで書いています。
まぁ、本にも書いてあるとおり、ボラティリティに応じて株の売買するのは難しいけど、判断材料の1つとしてはありかなと読んでいて思いました。
ちなみにボラティリティに関しては他にもデータがありEPSは年率ボラティリティが40%を下回る株は利益がプラスになる傾向あり。

配当はさらに強い関係で、高ボラティリティの株ほど配当利回りが低い。
S&P500で配当がある80%の銘柄の平均ボラティリティは40%で、配当を払ってない20%は平均ボラティリティは51%だったそうです。
ちなみにボラティリティの年率も25日間の値から正規化したものとS&P500銘柄の関係が以下の通り。

逆相関といえそうな感じの結果でした。
これらの結果を見ておりますと、イナゴが群がる銘柄はというフレーズが思い浮かびました。
他にもETFのボラティリティも検証されてましたし、この10章に関しては肝に銘じたいないようだと考えます。


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