「改訂版金利をみれば投資はうまくいく」の投資環境スコアを算出してみると、1年前から改善?
昨年夏に改訂版の「金利をみれば投資はうまくいく」を読みました。
その中で、4つのデータを指標として投資環境スコアというものが算出されていました。
去年の夏に算出したときは、+2→-2という感じで移行していて景気環境スコア悪化の状況でした。
では、1年経ってどうなったのか調べてみました。
投資環境スコア的に1年前から改善
以下のように政策金利、長短金利差、長期金利、社債スプレッド、米ドル指数をお元に算出しています(2022年3月時点)。

各個別スコアの意味合いとしてはそれぞれ以下の通り。
- 政策金利(FEDFUNDS)→前年に比べて水準が高い利上げ時は、1年程度の時間を置いて景気減速に作用する。
- 長短金利差(DGS10)→逆イールド(長短金利差がマイナス)になると景気減速を示唆する。
- 長期金利(BAA10Y)→前年差を計算することで、長期金利が上昇か低下のトレンドかの判断に用いる。
- 社債スプレッド(TWEXMMTH)→水準の前年差を計算して変化の方向を見る。スプレッドが拡大したら景気減速サイン。
- 米ドル指数(TWEXBGSMTH)→前年比変化率を計算し、米ドル高の場合新興国経済にマイナス作用。
では、投資環境スコアがマイナス方向に行ったときにどうなったかというと以下の通り。

突発的なコロナショックはともかく、それ以外は景気後退局面をとらえていることがわかります。
では、現状どうなのかを調べると以下の通り。
- 政策金利→現在5.12、1年前1.68でスコア-2
- 長短金利差→4.2(10年国債利回り)-5.12(政策金利)=-0.92で-2
- 長期金利→現在4.20、1年前2.83でスコア+2
- 社債スプレッド→現在1.84、1年前2.29でスコア+2
- 米ドル指数→現在114.81、1年前114.71でスコア+2
前回-2だった社債スプレッドと米ドル指数が+2に変わった一方、長短金利差は-2に変わりました。
というわけで投資環境スコアは+2で1年前の-2から改善を確認。
この辺の指標から株価が上がってるのはあるかなという印象ですね。
金利関連は流石に頭打ちになりそうなのを見ますと、この指標だけでは更に改善しそうにも見えます。
ともあれあくまでも指標値合わせた参考値的なものですから、定期的にウオッチしてどうなるか見ていきたいと考えています。


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