公益事業セクターについて
生活必需品やヘルスケアに関してはディフェンシブなセクターと一般的に言われており、所謂シーゲル本等でもその旨の記載があります。
さて、そんな2つのセクターがリーマンショック時に下落率が低いセクターの1番目と2番目でした。それでも20%程度は下落しているのですが、不況時に強いセクターということができるでしょう。他のセクターは30%強~40%以上下落していたわけですから。
しかし、そんな中もう一つ30%以上下落しなかったセクターがあります。「公益事業セクター」です。
じゃあ公益事業セクターって何を指すのかというと、インフラや公共事業関連の企業群から成り、電力会社やガス会社、水道事業会社が含まれるそうです。
成長というと微妙ではありますが、安定してそうな感じです。
i-sharesのグローバルセクターETFが、
iシェアーズ グローバル公益事業 ETF(JXI)
vanguardがバンガード・米国公益事業セクターETF(VPU)です。
ちんらみに含まれる企業がどんな感じかと言いますと、JXIに含まれる銘柄上位が、
DUK DUKE ENERGY CORP 5.33 公益事業 米国
NG. NATIONAL GRID PLC 5.04 公益事業 イギリス
NEE NEXTERA ENERGY INC 4.38 公益事業 米国
D DOMINION RESOURCES INC 4.10 公益事業 米国
SO SOUTHERN 3.95 公益事業 米国
IBE IBERDROLA SA 3.48 公益事業 スペイン
GSZ GDF SUEZ SA 3.08 公益事業 フランス
EOAN E.ON N 2.89 公益事業 ドイツ
ENEL ENEL 2.78 公益事業 イタリア
EXC EXELON CORP 2.73 公益事業 米国
日本で含まれるのは、
関西電力、大阪ガス、中部電力、東京ガス、九州電力、東京電力。
配当利回りと標準偏差を比較しますと以下の通りです。
JXI:3.52% 10.84%
KXI:2.31% 10.09%
IXJ:1.34% 9.64%
そこで他セクターとS&P500と比較を行いました。

確かに公益事業セクターはリーマンショック時下落はエネルギーセクターより小さいですが、それなりに下げています。そしてその後も上げ幅は他セクターの比較にならない程低い。未だにリーマンショック前を超えていませんし。
東京電力とか入ってますので、その影響も受けてるんですかね?2011年頃からS&P500とかい離していってますし。
こちらはグローバルセクターでしたが、ではアメリカに絞るとどうなるのでしょうか?
VDC,VHT,VPUに同じくエネルギーのVDEを加えてS&P500と比較を行いました。期間はETF発売後最大です。

アメリカ企業に絞るとリーマンショック前は超えていて、S&Pよりもいいのですが、それでもパフォーマンスは今一といったところでしょうか?
リーマンショック期間ではそれなりに下がってますので、下落耐性もヘルスケアや生活必需品といったセクターよりはなさそうな印象ですね。
ちなみにアメリカだと配当利回りと標準偏差は以下の通りです。
VPU:3.08% 12.2%
VDC:2.33% 9.6%
VHT:1.18% 10.1%
標準偏差もアメリカに絞っても若干高いですね。他のセクターETFと比較して、配当性向は高いようです。ただ、安定はしているけど成長度は?といったところでしょうか。
まだ全体像をつかみ切れておりませんので、ジム・クレイマーやシーゲルの本で公益事業セクターについて書かれている部分をもう一度読み直してみようかなと思いました。


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