米国優先株ETF(PFF)を調べてみた
今日は優先株について書いていきます。
優先株という定義を調べてみますと、
利益もしくは利息の配当または残余財産の分配およびそれらの両方を、
他の種類の株式よりも優先的に受け取ることができる地位が与えられた株式である。
優先株式は、普通株式よりも低リスクで社債よりも高リスクであり、
そのようなメザニン・ファイナンスを好む投資家向けに発行されることとなる。
何故優先株かといいますと、現在読んでる本でポートフォリオが紹介されていたのですが、その本のポートフォリオでは10%程度程組入れられていました。
実態として10%もいれる理由があるのかなと思いましたので、今回ちょっと調べてみました。
ちなみに以前、米国会社四季報で調べたときは、米国優先株=ハイイールド債並の配当率でした。
高配当の海外ETFを調べてみた
優先株の代表的なETFとしてはPFF(iシェアーズ 米国優先株式 ETF)があります。保有銘柄が307程度で、総経費率が0.47%とグローバルセクターと同じくらいでやや高めです。
ちなみに保有国別で見ると、米国となっているのに米国の比率は82%程度。何故かイギリス12%、オランダ5%程度になっております。「米国」ってついてるんですけどね。
業種別で見ると、銀行が36%、各種金融16%、不動産14%、保険9%とこれだけでほぼ4分の3占めています。ほぼ金融セクターと言ってもいいかもしれません。
では、実際の値動きはどうなのか?社債やジャンク債、株式と比較してみようということで、PFFと以下のETFで比較を行いました。
- iShares米ドル建て投資適格社債(LQD)
- SPDR バークレイズ ハイ イールド債券 ETF(JNK)
- バンガード米国トータル債券市場ETF(BND)
- バンガード米国金融セクターETF(VFH)
- バンガードトータル・ストック・マーケットETF(VTI)
PFFと他ETFを比較してみた
直近1年、5年、10年で他の5つのETFと比較をしてみました。

1年で見ると、株式と金融セクター株が連動していて、米国トータル債、適格社債、優先株が近い値動きをしていて、ジャンク債だけ蚊帳の外という感じです。
これを期間5年で見てみますと、

金融セクター株は無茶苦茶上がっているのですが、金融セクターの多い優先株式は余り上がっていません。
一時的にジャンク債と近い値動きでしたが、今は米国トータル債券に近い値動きをしています。適格社債の方がパフォーマンスがいいですね。
リーマンショックを含む過去10年で見てみましょう。

優先株と金融セクターはリーマンショック前の株価を超えてないことがわかります。
金融ショックはVTIより下落し、金融セクターよりはましというのが、優先株PFFの特徴といえそうです。配当が多いから金融セクターより下がってないと思われます。
値動きからまとめますと、やっぱり毎月分配なら価格が安定していて、配当率数%の債券かなと思えてきます。同じ値動きが激しい銘柄ならば、株価と逆相関の長期債の方がいいかなと思います。
また、下落局面の底だと個人的にはVB等の小型株を買った方が、経費率も0,1%ぐらいで買えますので、いいかなと考えます。
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