世界史の極意を読んで
世界史&日本史大好き人間として歴史ものが読みたくなるのですが、近代史についての本がないかと探しておりました。色々と探した結果著者の関連本が結構売れているようですので、以下の本を読みました。
著者は鈴木宗男絡みで逮捕された後、売れっ子の作家となった元外務省職員佐藤優氏です。
元官僚というと報道ステーションで自爆テロを行った人のようにちょっと頭おかしいんじゃないの?といいたくなる人がちらほらいますが、その中では比較的まともな人だと思います。
そんな著者がウクライナ危機、イスラム国、スコットランド問題等に関して、「資本主義」「ナショナリズム」「宗教」の3つの視点から解説しています。
全体的に2章の民族問題と3章の宗教紛争の内容はわかりやすく、非常に納得できる内容でした。特にイスラム史の流れに関してはスンニ派シーア派の違いがよく理解できるように説明されています。
ただし全部を読み通して疑問に思う点も。
民族問題を扱っているのに中国関連の記述が少なすぎ
宗教や民族問題を取り扱っているわけです。ウクライナやスコットランド、イスラエルといった問題のある地域を取り上げるのは当然でしょう。
オーストリアが分裂していった過程も詳しく書かれていますので、バルカンからハンガリー、チェコあたりの記載もあります。
でも、民族と宗教の問題というと中国(チベット、ウイグル)に関して書かなければ、世界史の極意といえないのではないかと思いました。
沖縄に関する言及もあるわけですから、民族と宗教の関係で実際に色々とあった中国の事例を取り上げるべきではないかと。
元外務省でロシアを担当していたので反米的な主張はまぁ仕方ないのかなと思いますが、中国をスルーしているあたりに著者の思想的なものが入りすぎてる印象を受けました。その点がちょっと残念な本だなという感想です。


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