稼ぐまちが地方を変えるを読んで
ちょうど帰省中に以下の本を読みました。
地方ではこれからより大都市への集中と過疎化で、衰退や高齢化の問題が大きくなっていくと思うのです。これは九州等の田舎だけではなく、割と都心に近いところでも起こりうることだと思うのです。
実際に千葉県に住んでいる人間としても、JRと京成で東京から千葉に向かうと、光景が全く異なるのがよくわかります。シャッター街に見える地域もありますし。
この本の著者木下斉氏は校生時代から地域活性化事業に携わっていて、一度商店街の事業で失敗した経験もあるだけに、「マネジメント」や「投資」の観点からもまちづくりに反映されていて、読み応えがあり、福岡でも事業を展開してほしいと思いました。
自分の印象に残った点は以下ですね。
- 補助金を当てにするな
- 「先回り営業」で確実に回収
- 「利益率」にとことんこだわれ
- 「稼ぎ」を流出させるな
- 「撤退ライン」は最初に決めておけ
- 「お金」のルールは厳格に
本の内容として自身の失敗例も含めてこれまでのまちづくりで何がいけないのかを説明した後、補助金をあてにせず、民間が自立して地域活性化事業を行うという方針で、上手くいっている事例を紹介し、今後のまちづくりの活動に対する提言を行っております。
不動産所有者の視点や投資としてのまちづくりという視点から分析し、撤退ラインやお金のルールも考えているところに、著者の携わったプロジェクトが成功しているのだと思いました。無論、この本には載せていない失敗例もあると思いますが。
「まちをまるごと一つの会社に見立てて経営し、利益をあげて地域のために再投資する」
という方針で利益の一部を投資に回しているのも印象的でした。補助金に頼らず自力でやっていくのは大変でしょうが、その中で成功させている手腕は評価されるべきかと。
個人的に、行政には補助金ではなく制度的な支援が必要というのも納得できました。色々としがらみの多い中で事業を進めておりますので、事業は大変だとは思いますが、頑張ってほしいです。
帰省中だったため、祖母の住んでいる市に行ったのですが、旧市街地の近くが整備されてボロボロだった建物が新築されて、景観としては非常にきれいになっていました。
この本のプロジェクトとは関係のないものではありますが、幼いころに過ごした土地なだけに、なんとか成功してほしいと願う次第です。


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