利上げを乗り切る5つのポイントで上がっていた長期の投資適格社債(VCLT)について調べてみた
FRBはこの12月会合にて、11月7日に報告された雇用情勢の好調を考慮して短期金利を引き上げるとの憶測がある。株式投資家にとっては、ポートフォリオを見直すチャンスかもしれない。
(中略)
さて、このような利上げ環境の中で投資家はどうすれば収益を最大にして、リスクを最小にできるのだろうか?ファイナンシャル・アドバイザーからは以下のような助言が発せられている。
利上げが確実視されつつある中で、上記の記事を見つけました。何かしら変動を与える可能性は高いでしょうから、今後の動向で参考になればと思いまして5つのポイントを見てみますと・・
- バケットで対応(ポートフォリオは3つのバケットに分割)
- クローズドエンド型投資信託を検討材料に
- 長期の投資適格社債を組み込む
- オルタナティブ投資を選択肢に
- マスター・リミテッド・パートナーシップ(MLP)の活用
MLPは確かに原油が来年上がると仮定すれば悪くないかもしれません。もっとも原油が反発しないまま年末に来ているので微妙ではありますが・・
この5つの上げられている中で長期の投資適格社債が上げられているのが気になりました。投資対象としてはiShares 10+ Year Credit Bond ETF (CLY)、Long-Term Corporate Bond Index Fund (VCLT)が書かれています。
他の債券ETFと何が違うのか?ということで、VCLTについて調べてみました。
- iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT)
- iシェアーズ iBoxx 米ドル建て投資適格社債ETF(LQD)
- バンガード米国トータル債券ETF(BND)
- バンガード米国中期社債ETF(VCIT)
- バンガード米国長期社債ETF(VCLT)
長期債券の指標となっているTLT、適格社債や中長期社債、そして、自分のポートフォリオの先進国債券のコアになっているBNDと値動きの比較を行ってみました。
VCLTvsVCITvsBNDvsLQDvsTLT
・近1年

・近3年

・近6年

BND(緑)のボラティリティの小ささを見ますと、これが先進国債券のコアで問題ないなと思えてきます。
話を長期社債に戻しましてVCLT(赤)は長期債TLT(水色)と同じぐらい値動きが激しいですね。短期間の動きを見る限り長期社債の方がボラティリティが小さいように見えます。社債の方が値動きが激しいと思ったのですが、長期債の方が値動きが激しいのは意外でした。
長期の適格社債とForbesには載ってましたが、適格社債のLQD(桃)は値動きを見る限り中期社債VCIT(青)程度という認識でいいようです。今回の値動きを見てみると各ETFの標準偏差と配当率を鑑みて、ポートフォリオに組み入れるか否かを冷静に考えていけばいいかなと思いました。
今回調べたETFを見てみますと・・
VCLT 標準偏差3年:8.21 配当率:4.83%
VCIT 標準偏差3年:4.37 配当率:3.53%
BND 標準偏差3年:3.04 配当率:2.35%
LQD 標準偏差3年:5.03 配当率:3.46%
TLT 標準偏差3年:11.52 配当率:2.65%
長期債のTLTは標準偏差の割にという印象が残りました。ちなみに参考になりそうなETFの標準偏差を調べてみましたが・・
生活必需品セクター VDC 標準偏差3年:11.11
ヘルスケアセクター VHT 標準偏差3年:12.55
長期債ETF BLV 標準偏差3年:8.96
これを見ますとTLTよりはBLVやVCLTの方が投資対象としていいかなという気がします(ただし出来高の問題があるのでしょうけど)。債券ですので狙い目は生活必需品セクターよりは標準偏差が低めなので、適格社債について利上げの時どんな値動きをしたのか調べてみようかなと思います。


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