あの冨野氏や堀江氏も絶賛している魔法の世紀を読んで
新・映像の世紀が6回にわたって昨年から今年初めにかけて放送がありました。ようやく最後の回を見終わった直後にこれを書いておりますが、個人的にはやはり1~3回の第一次世界大戦から第二次世界大戦の内容が強く印象に残りました。
後半部分に関してはアメリカが世界一になった後失敗した事例が話の中心の一つでしたが、もう一つは共産主義、社会主義の失敗というのも話の中心の一つだったと思います。
6回を見て思うのは要するに20世紀というのは「資本主義によって2度の悲惨な世界大戦を含む多くの血が流れたが、社会主義国家、共産主義の失敗で資本主義が完ぺきではないものの、我々が取るべき道であることがわかった」という印象ですね。
20世紀の革新技術として「映像」が上げられますので20世紀は「映像の世紀」で間違いないでしょう。では、21世紀は何の世紀になるのでしょうか?そんな中、私より下の世代とはいえ年が近い世代の落合陽一氏はこう定義しています。「魔法の世紀」と。
帯でガンダムの原作者冨野氏やあの堀江氏が賞賛したコメントをしていますが、この2人が褒める理由が良くわかる内容の本です。
28才にして国際的な注目を集める研究者でありメディアアーティストでもある落合陽一氏の独特の感性を一般人に分かりやすく解説している感じがしましたね。
内容としてはこれまでのコンピュータの歴史を説明しながら、歴史上の大きな変化について解説をしていて、現在は記録が映像に縛られているが、そこからどう変わっていくのかということ書いています。動いてるものと止まってるものを、環境であるエーテルと主体の動きであるフレームレートで4つの象限に別けて東洋と西洋の違いを分析して見せたりするセンスは正直冨野氏がニュータイプと呼ぶのが良くわかります。
落合氏は攻殻機動隊の世界を実現したがっている?
私の世代から±5歳くらいの世代は、小学生ぐらいの頃まだゴールデンタイムでアニメが大量にやっていて、エヴァを筆頭にテレビ東京18時代のアニメ全盛期(角川アニメ、林原めぐみ全盛期)だった中で、同世代で好きなアニメとして「攻殻機動隊」を上げる人が結構います。
本を読んでいると人間と機械はどういう関係を作っていくか。この世界でどう生きていこうかということについて言及されていて、「攻殻機動隊」の世界観に影響されているなと思いますね。作品としては他にもセイバーマリオネットとかちょびっつが上げられてましたね。まぁ、後者の2つは今後の人工知能に関係するので上げられていた感じがしました。
また今後の技術展望に関しては、コンピュータと人間が相互作用することによる全く違う環境認識と環境との相互作用についての可能性について述べてますので、攻殻機動隊の世界を実現したいという構想を持っているのではないかとも思いました。
こういう人材を増やすことが国内産業の革新へとつながるのでは?
ハードを現実に溶け込ませていくということにも言及されていて、メディアアーティストとしての感性がすばらしく、久々に凄い人がいるもんだなぁと感心しましたね。
「魔法の世紀」の最終到達点は、コンピュータ価額で知能・物質・空間・時間を含む、この世界のありとあらゆる存在と減少が記述されて、たがい感応しあうことだそうです。まずはコンピュータで場と場、モノとモノが相互作用する可能性を切り開くことに注力するようですが、落合氏のアート作品を見ておりますとこの人ならできるんじゃないかと思いますね。
自動運転技術も自動運転ができれば交通事故が減るんじゃないかという発想から始まったわけですし、落合氏のような発想を持ちそれを具現化していくことが将来的な技術革新につながるのではないかと思いました。こういう人材を一人でも多く輩出していくことが今後の教育、特に日本の大学において必要なのではないかと思いました。


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