不透明な10年後を見据えて、それでも投資する人が手に入れるものを読んで
私の投資の国別比率を考えますとアメリカが抜けていると思います。まぁ、普通にインデックス投資をしていて、先進国株式の比率が高ければ、インデックスファンドの先進国株式の半分はアメリカとなるでしょう。
アメリカの比率が高いと嫌がる人もいるかもしれませんが、現状の経済力や軍事力、周辺に対抗する国がないこと。そして先進国の中で金利がまともであり、且つ今後人口が増加する見込みのアメリカの比率が高くなるのは仕方のないことだと思いますね。
最近読んだ本の中で、今後10年で技術的革新が起こりうるが、それを起こすのはアメリカの企業の可能性が高いので、アメリカ企業を中心に投資を行い、10年20年先が不透明な中お金を増やし老後に備える手法を具体的に提案したのが以下の本です。
関連記事:各米国株式ETFは先端技術や新しいアイデアを持つ企業がどれくらいの比率なのか
基本的に岩崎日出俊氏はアメリカを高く評価しそれ以外は評価が低いという感じです。個人的な意見としては日本に対して悲観すぎるという点を除いて、概ね同意する内容になっています。内容は投資初心者にもわかりやすく書かれているので、投資を始める前に啓蒙本的に読むのにも適していると思いますね。
もう一つ言うと下流老人にならないためという視点から、老後資金を作るために個人がどうすべきかもとてもわかりやすく書かれています。
要点・印象に残った点
- 株式投資の鉄則として①「量的緩和→株高」、②「GDP上昇→株高」。投資でリターンを得るためには、今後人口が増えてGDPの成長が見込まれる国に投資をするべき。
- アメリカにはイノベーションを生み出してきた企業が数多くある。中でもダウ平均株価には世界経済を牽引するような企業が組み込まれており、さらには常に好調な企業が入るように定期的に銘柄が入れ替わるので今後も上昇が期待できる。
- ダウ平均株価へ投資をしつつ、グーグルのような今後もイノベーションを生み出す可能性のある企業へ投資をするのがベストなのである。
- 新興国企業はアメリカを中心としたグローバル企業(欧州、日本含む)との競争に勝てない。
- 格差を打ち破るための唯一の方法が株式投資
- 「マーケットとは誰に対しても公平でフェアである」
個人的に印象に残った点は上記ですかね。アメリカのイノベーションを生み出しててきた企業に関しては、グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルの4社を買っておけば今後も上昇を享受できる(どこか1社被害をこうむる可能性も書いてますけど)という意見ですし、基本的にダウのETFを買って自分年金を作ろうと言う感じです。
私もアメリカに関しては同感でこれからも世界経済を引っ張っていくのはアメリカの企業だと思います。しかし、日本に関して悲観過ぎる点と新興国に関する記述はちょっと異論もありますね。
岩崎氏と異なる意見の2点
日本企業に関しては自動車企業が中心で自動運転技術の影響を受けるということですが、自動運転技術といっても走るのは車なので車体の製造等は経験則がいりますし、道路も単純なものばかりではないです。
だから2020年頃に技術が確立してもそう簡単に既存の自動車メーカーはお役御免とは行かないと思うんですがね。当然日米欧のメーカーはいざとなればスクラム組んで何か仕掛ける可能性があると思います。
新興国企業に関しては概ねアメリカを中心に欧州、日本あたりの企業が勝つのは目に見えてますが、ことアフリカに関して以下の記事でちらっとふれた「アフリカ進出ハンドブック」という本を読んだのですが、
アフリカ関連ETFの記事:アフリカ関連ETFの現状を見てみた
インド人がかなりアフリカに進出しているようで、これから世界の中で人口が最も増える地域なだけに、インド企業はある程度伸びるんじゃないかなという個人的な意見です。
自己投資とリスクを取る必要性
9章と10章の自分に対する自己投資や、本当の日本のリスクは社会全体がリスクを取らなくなっていることというのは、外資系の金融機関で働いてきた著者だからこそ重い言葉だなと思います。
「格差を打ち破るための唯一の方法が株式投資」というのは私も同意見ですので、倹約→貯蓄→投資の流れを維持しつつ、健康+知識の面にも投資をしていくことを心掛けないとなと思いましたね。
投資初心者への啓蒙から、各国の今後の予測、自己啓発の必要性が一つにまとまっていてお勧めの一冊です。


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