ウォール街のランダム・ウォーカー11版で気になった新興国ハイ・イルード債の記載について調べてみた
先日感想を書きましたウォール街のランダム・ウォーカー第11版。
関連記事:ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉を読んで
この中でバートン・マルキールの意見でちょっと引っかかる点がありましたのでちょっと調べてみようと思いました。
気になった項目というのは新たに追加された「財産の健康管理のための10箇条」の「•第7条 債券市場に注目」の内容でした。7章で以下の債券について記載がありました。
- ゼロ・クーポン債
- ノーロードの債券ファンド
- 免税債ファンド
- インフレ調整国債
- ジャンク債
- 外国債
- 債券に似た株式
この中の外国債についてですね。新興国債に関するアドバイスは「慎重に」とかいてあるのですが、その後以下の記載が。
新興国のGDPに占める負債残高は先進国よりも低く、政府の財政バランスも健全のところが多く、経済成長率は高い。したがって新興国物を中心としたハイ・イールド債に広く分散投資したファンドは、この超低金利時代の資産運用の一部分としては賢明な選択と考えられる。
この記載ほんまかよと思いました。ということで新興国のハイ・イールド債のETFがあるか探してみたところ、「マーケット・ベクトル新興国ハイ・イールド債ETF(HYEM)」というものがありました。そこで他の債券系のETFと比較してみました。
バンガード米国トータル債券市場ETF(BND)
バンガード・トータル・インターナショナル債券ETF(BNDX)
iシェアーズ iBoxx 米ドル建て投資適格社債ETF(LQD)
SPDRバークレイズ・ハイ・イールド債券 ETF (JNK)
バンガード米ドル建て新興国政府債券ETF(VWOB)
マーケット・ベクトル新興国ハイ・イールド債ETF(HYEM)
近1年の値動き

近1年で見ますと米国のハイ・イールド債(紫)よりはましではあるもののマイナスの状態です。ただ、年明けから上昇気配になってきています。原油価格が上昇傾向に転じた影響でしょうかね。
それにしても米国のハイ・イールド債より値動きが小さいのは意外ですね。では、新興国の株式が軟調になった時期は一昨年ですので期間を2年に延ばしてみてみました。
近2年の値動き

パフォーマンスは悪くなりましたが、それでも米国のハイ・イールド債よりはパフォーマンスがいいという結果に。この結果を基に◎キールが評価したということですかね?
確かにBNDや米国外債券のBNDX、あるいは新興国債券(VWOB)とは分散が効いている感はあります。ただリスクが怖いなという印象はぬぐえないですね。
特に気になった国別のポートフォリオは以下の通り(参考)。
Cayman Islands9.72%
Luxembourg8.14%
Netherlands6.82%
Hong Kong6.23%
Mexico5.62%
Argentina5.25%
United Kingdom4.45%
Turkey4.32%
Ireland4.15%
Venezuela3.37%
UKやルクセンブルグ、オランダはファンドの籍的な関係ですかね?それを除くとデフォルト起こしそうなアルゼンチンやベネズエラの比率が妙に高いですね。この比率を見ると買いたいとは思わないですね。


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