ウォール街のランダム・ウォーカーに載っていた株式のお勧めポートフォリオを検証してみた
ウォール街のランダム・ウォーカー第11版で年齢別推奨ポートフォリオ的なことが書いてありまして、現金・株式・不動産・債券の4つの比率について20代後半、30代後半、50代後半等4つの例が示されておりました。
関連記事:ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉を読んで
このうち株式の部分についてはアメリカ株、先進国株、新興国株の具体的な比率が50代後半のポートフォリオのところで書いてありました。ちょうど最近セミナーでウィズダムツリー、Vanguardの担当者が推奨した分散ポートフォリオを記事にしましたので、ちょうど比較になるかと思い調べてみました。
バンガードとウィズダムツリーの推奨ポートフォリオ
米国株式・ETFセミナーで紹介されたウィズダムツリーETFのポートフォリオを検証してみたVanguardの社員がお勧めしていたETFのコスト0.07%程度の分散投資とは?
上記2つの株式の比率は以下の通りでした。
WisdomTreeの比率はアメリカ:55% 先進国:35% 新興国:10%
Vangaurdの比率はアメリカ:56% 先進国:36% 新興国:8%
これに対しバートン・マルキールが記載した比率は以下の通りです。
アメリカ:49.1% 先進国:25.45% 新興国:25.45%
意外と新興国の比率が高いです。そしてアメリカの比率が若干低めになっています。これは比較のし甲斐があるということで調べてみました。
バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)
バンガード・FTSE先進国市場(除く北米)ETF(VEA)
バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO)
ポートフォリオ直近1年

まず直近1年の値動きをVTと比較してみましたが、やはり新興国株式の比率はVTや他のポートフォリオと比較しても2倍以上ありますので、その影響でパフォーマンスはVTに劣ります。
流石に新興国市場が原油安の影響を強く受けた期間になりますので、期間をETFが販売開始されてポートフォリオをが組めるようになった期間最大まで伸ばして比較をしてみました。
ポートフォリオ期間最大

期間を延ばすとVTよりパフォーマンスが改善しますが、VTと値動きが非常に似通った形になります。コストの優位性を加味すると悪くはないと思いますね。
最後に期間を全く同じにしてVangaurd、WisdomTreeのポートフォリオとリターン、ボラティリティを比較してみました。
WisdomTreeのポートフォリオと比較するため直近4年でリターンとボラティリティを比較すると・・
各ポートフォリオとVTを2012年4月23日からの近4年(WisdomTreeのETF発売が4年前のため)でリターンとボラティリティを比較すると以下の通りです。
WisdomTree リターン:53.3% ボラティリティ:13.3%
Vanguard リターン:46.6% ボラティリティ:13.8%
ランダム・ウォーカー リターン:37.7% ボラティリティ:14.2%
VT リターン:39.5% ボラティリティ:13.9%
これを見ますと分散投資でも高配当系のETFは効果がありそうな感じがしますね。ただし、WisdomTreeのETFはコストがVanguardよりも高いのが問題なんですよねぇ。アメリカ株の部分は連続増配VIGやら高配当株VYM,DVY,HDVあたりで代用が効くのですが、それ以外となると大手証券で買えるのはWisdomTreeぐらいしか思いつかないですね。
こうやって比較してみると色々と見えてくるなと今回思いました。是非ウォール街のランダム・ウォーカーの第12版が出た場合は高配当系のデータについても載せてほしいと思います。


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