ポートフォリオ内の新興国債券(米ドルヘッジ有)の比率を高くするとパフォーマンスにどう影響するか確認してみた
ポートフォリオ内の新興国債券の比率を高くするとパフォーマンスにどう影響するか確認してみた
昨日現地通貨建ての新興国債券の比率を増やすとポートフォリオにどのような影響があるかを調べましたが、現地通貨建てだったのが引っかかりました。大手ネット証券で買える米ドルヘッジしたETFがいくつかありますので(例:バンガードのVWOB等)そっちも載せた方がいいか迷ったんですが、記事が長すぎたので諦めておりました。
以下の要望も受けましたのでさっそく調べてみました。
以下の条件で調査を進めます。@garboflash
— ω (@wataame12345671) 2016年6月18日
では米ドルヘッジしてるVWOBで次回作をw
①米国株ETF:米国債券ETF=50%:50%
②米国株ETF:米国債券ETF:新興国債券ETF=50%:25%:25%
③米国株ETF:米国債券ETF:新興国債券(米ドルヘッジ有)ETF=50%:25%:25%
今日は①と③を比較します。対象として以下のETFを使用します。
- バンガード・トータル・ストック・マーケットETF (VTI)
- バンガード・米国トータル債券市場ETF(BND)
- バンガード米ドル建て新興国政府債券ETF(VWOB)
まず直近の1年で①と③を比較してみました。
直近1年で新興国債券の有無の比較

おや、米ドル建てのETFに変えるとパフォーマンスが改善したような。①~③の条件だとどうなるのか?表を作ると広大な空白が発生したため右がリターン、左がボラティリティです。
①リターン1.8% ボラティリティ7.6%
②リターン0.1% ボラティリティ9.5%
③リターン2.1% ボラティリティ8.5%
直近1年ですと、なんと米ドル建て新興国債券を組み入れた③がもっともパフォーマンスが良かったという結果に。ただしボラティリティは組入れない時より高いようです。
米ドル建て効果がここまであるのか?ということで期間を広げてみてみようとしたらVWOBは販売開始されて3年程度でした。一応直近3年で調べてみました。
直近3年で米ドル建て新興国債券の有無の比較
・新興国債券無(米国株:米国債=50%:50%)

・新興国債券有(米国株:米国債:新興国債=50%:25%:25%)

新興国債券を含めない米国債券と米国株式半々の場合が、ボラティリティ7.1%、リターン21.2%に対して、新興国債券有だとボラティリティ7.7%、リターン22.1%。
過去3年ですのでロシアやウクライナ、チャイナショックも含んでいるのですけど新興国債券入れた方がパフォーマンスはいいですね。ボラティリティはやはり高めになるのですが。
これを見る限り、海外ETFで新興国債券に投資する場合は、米ドル建てのETFを選択した方が良さそうです。野村のFunds-iでヘッジ付の新興国債券のファンドがあり私も投資しておりますが、近いうちにヘッジ有無の影響を見てみようと思います。
しかし、米ドル建て新興国債券は近3年程度しか確認できないなと思い、他にETFないか探したらありました。
直近8年で米ドル建て新興国債券の有無の比較
iシェアーズJ.P.モルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券ETF(EMB)というのが販売開始から結構経っていました。ということで、リーマンショック期間を含む近8年で見てみました。
・新興国債券無(米国株:米国債=50%:50%)

・新興国債券有(米国株:米国債:新興国債=50%:25%:25%)

新興国債券を含めない米国債券と米国株式半々の場合が、ボラティリティ9.6%、リターン64.2%に対して、新興国債券有だとボラティリティ11.0%、リターン69.6%。
長期で見ても同じ傾向でした。米国建て新興国債券は分散で効果があるかも?と思える結果でした。細かな期間を分析してみてからポートフォリオ上に組入れてみるのも面白いかもと個人的には思いました。
REITでも検証してみました
REITの比率を高くするとパフォーマンスにどう影響するか確認してみた(米国編)
REITの比率を高くするとパフォーマンスにどう影響するか確認してみた(分散編)


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