有事の際の株価や債券は1日でどれほど値が動くのか?海外ETFで確認してみた
※呆然とするイギリス人のイメージ図
投票当時に発表された世論調査でもEU残留が優勢と発表されていたためか為替がドル円で106円台だったのが、昼休みにニュースを見ると99円。その後EU離脱決定後は103円台まで戻すという不安定な動き。
久々に市場全体がパニックになっているのを見た気がします。特にアジア市場は、市場が開いている最中に離脱優勢→離脱確定の流れでしたから、東京市場なんかは有事の円の格言もあるせいか一番影響を受けてしまいました。
EU離脱でスコットランドの独立問題が再燃しますと、ベルギーやスペインのカタルーニャ、バスクに波及しかねないですし、同じようにEU離脱投票をしますと不満がくすぶっているフランス、スペイン、イタリアは離脱になりかねません。
無論経済にもじわじわと影響を与えると思います。そもそもイギリスとEU間の交渉が上手くいくと思えませんし。しかし、それよりも私はヨーロッパが分裂する方向に向かいかねない歴史的な事件になるのではないかという気がします。9.11の貿易センタービルが崩壊した、3.11の震災と津波並みの影響を後世に与えるのではないかと思うのです。
ドイツの難民たちは「欲求不満」で一触即発! 多発する婦女暴行、放火に爆破事件まで……
ドイツですらこの状態なのです。フランスやイタリア、イギリス、北欧でも同じ事件が起こっていることは容易に想像できます。余りにも人道に配慮しすぎた結果としか思えないんですがね。
そんな有事が起こった直後の株式市場は当然動揺が激しく、各国の株式は大きく下がりました。では、想定外の有事が起きた場合株式や債券が1日でどれくらい上下に変動するのか気になったので、色んな資産の昨日の値動きを調べてみました。
海外ETFの債券関連の値動き
まずは債券関連のETFを見てみましょう。

アメリカの各種(長期債TLT,BLV、トータル債券BND、社債LQD)債券ETFと米国外の債券(BNDX)を見てみました。
長期債でジム・クレイマーが指標となると言っていたiシェアーズ米国国債20年超ETF(TLT)が大きく上昇しています。続いてバンガードの長期債ETF(BLV)も1%以上上昇しています。この2つのETFはリーマンショック時に株価が大きく下がる中、上昇したという実績がありますので想定通りという感じです。
また、株価が下がるということで、全体的に債券ETFに資産が流入しています。ただし、先週記事にしたバンガード 米ドル建て新興国政府債券ETF(VWOB)は若干マイナスでした。
では、株式はどうなっているのか?値下がり率が比較的低かった米国株から見ていきます。
海外ETFの米国株関連の値動き
増配株、高配当株、小型株から主なセクターETFの値動きを調べてみました。

SPYがだいたい3.6%程度下落していますが、意外なのは小型株も同じくらいしか下落していないということですね。もう少し下落しているかと思いましたが。
セクター別に見ていきますと、ちょうど今日の0時頃yahooを見ると下落率トップのワンツーがゴールドマンサックスとJPモルガンでした。ロンドンの金融業がEU離脱で大きく影響を受ける可能性がありますので、その煽りを喰らっています。
セクター別で見てみましたが生活必需品セクター(VDC)、公益事業セクター(VPU)が下落幅が小さいです。公益事業セクターは直近もそうなのですが好調な状況が続いていますね。生活必需品セクターの比率が高いHDVもS&P500よりも下落幅が小さいです。
では、米国外のETFの値動きを確認してみますと・・
海外ETFの米国外株式関連の値動き

欧州株VGKは案の定10%以上の下落です。このETFイギリスが3割以上占めている上に、セクター比率も金融セクターがトップです。今回のEU離脱の影響を受けるのは仕方ないかと。
VEAは欧州も含むのですが-6%ですんでいます。これを見てるとある程度ユーロ圏外(スイス、日本やアジア)を含んでいるのが大きいのかと。VWOにもいえますが、地域のゴタゴタの影響を受けないことを多少なりとも考える必要があるのかなと思いました。
ちなみにグローバルでもセクターETFの様子を確認してみましたが、iシェアーズ グローバル生活必需品セクターのKXIが-3.16%、iシェアーズ グローバル公益事業 ETF(JXI)が-3.28%ですので、VEAやVTと比較して値下がり幅は小さいと言えそうです。
大きく下がる日でも値下がりにくいセクターや逆に上昇する債券もある
昨日の海外ETFの値動きを見ておりますと、債券やディフェンシブセクターの生活必需品セクター、公益事業セクターや高配当株に投資して分散する必要があるなと思いますね。
G7を中心に経済対策を取ることになると思いますが、EUのゴタゴタが世界経済に与える影響も大きくなる可能性があります。しかし、株価の値下がりは投資を行うチャンスとなりえますので引き続き投資を続けたいと思います。
テンプルトン卿の言葉に「強気相場は総悲観のなかで生まれ、懐疑の中で育ち、楽観とともに成熟し、陶酔の中で消えてゆく。」という言葉を忘れないようにしたいと思います。
※EU問題に関してはとりあえず今日現代ビジネスの連載で、ドイツの現状をわかりやすく書いていて好感が持てる川口マーン惠美氏の本を予約しました(配当センターに在庫がないようです・・)。
1カ月後どうなったのか?
イギリスのEU離脱投票から1カ月以上経過。株価や債券の値動きを海外ETFで確認してみた


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