原油安やイギリスのEU離脱で揺れた上半期の米国株セクター別のパフォーマンスを確認してみた
先週末のイギリスEU離脱投票のまさかの結末から早1週間が経過しました。イギリスはキャメロン首相が辞任したため、後継の首相を選ばなければならないのですが、離脱を牽引していたボリス・ジョンソン前ロンドン市長は、側近が裏切って与党保守党の党首選に出ないことになりました。
元々キャメロンのEU離脱投票に踏み切ったのも、ボリス・ジョンソンが離脱派だったのも権力闘争の側面が強いと言われております。このまま次期首相が決まったとしても党内がガタガタでは交渉も進まないような気がするんですがね。
7月になりまして上半期が終わりました。世界的に見ますと原油安からイギリスのEU離脱となかなかゴタゴタした半年だったと思います。
先週末世界的に大きく株価が下がりましたが、1週間経つとダウなんかほぼ元に戻った状態になっています。原油安なんかもありましたが、この半年でセクター別のパフォーマンスはどうなっているのか?
米国セクターETF比較の記事:直近のセクターETFの値動きを確認してみた
上記と同じ手法で、以下のSPDRの米国株セクターETFで確認してみました。
XLY 一般消費財セレクトセクターSPDRファンド
XLP 生活必需品セレクトセクターSPDRファンド
XLE エネルギーセレクトセクターSPDRファンド
XLF 金融セレクトセクターSPDRファンド
XLV ヘルスケアセレクトセクターSPDRファンド
XLI 資本財セレクトセクターSPDRファンド
XLB 素材セレクトセクターSPDRファンド
XLK テクノロジーセレクトセクターSPDRファンド
XLU 公益事業セレクトセクターSPDRファンド
直近半年の米国株セクターETF別成績

左からS&P500、一般消費財(XLY)、テクノロジー(XLK)、資本財(XLI)、素材(XLB)、エネルギー(XLE)、生活必需品(XLP)、ヘルスケア(XLV)、公益事業(XLU)、金融(XLF)です。
直近半年でS&P500は4.5%プラスなのですが、セクター別で見ていくと金融セクター以外はプラスになっていますね。金融セクターは直近のEU離脱の影響でこの結果になったかと思い、半年分の値動きを確認してみましたが、半年の間ほぼパフォーマンスが冴えていない状況でした。

パフォーマンスが良かったセクターとしては原油価格が回復してきたためエネルギーセクター(XLE)と、ディフェンシブセクターである生活必需品セクター(XLP)と公益事業セクター(XLU)です。公益事業セクターは抜けて好調ですね。
では、チャイナショックがあった直近1年で見てみますとどうなりますでしょうか?
直近1年の米国株セクターETF別成績

この1年で見ても生活必需品セクター(XLP)と公益事業セクター(XLU)がぬけています。直近半年と比較してエネルギーセクターとヘルスケアセクターがマイナスになっています。確かに年始にかなり下がっていた記憶があります。
この1年株価が下がったっていうニュースが多かった印象があるのですが、S&P500ってプラスだったのは意外ですね。
この結果を見ておりますとやはり公益事業セクターが気になります。以前もちらっと書きましたが(公益事業セクターの直近の値動きについて確認してみた)、公益事業セクターの個別株について近いうちに調べてみようと思います。



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