イギリスのEU離脱投票から1カ月以上経過。株価や債券の値動きを海外ETFで確認してみた
イギリスのEU離脱投票の実施が6/23でしたので1カ月以上経過しました。離脱後の影響に関しては、離脱後株価下がるぞという予想がどちらかというと多かった印象ですが、予想外に株価は上昇しております。
今回は予想に反して株価が大きく下がった後に上昇したという事例と今のところ言えそうです。夏枯れの可能性があるかと思ったらアメリカの雇用統計は予想を上回る結果。年内の利上げは確実になりそうな情勢です。
個人的に歴史の本を読むのが好きなのですが、歴史というものは蓄積していくものですから過去の事例を元にそれを活かしていくという上で非常に重要なものだと思うのです。無論記録が残っていない部分もあるからこそ推理し甲斐があるので、戦国時代なんかは人気があるのでしょうね。
歴史に関しては株式にも役立つと思うんですよね。こういう時はこういう状況だったというのを記録していくことで自分が経験したことを整理して次にも活かせると思うのです。
有事の際のETFの値動きの検証記事:有事の際の株価や債券は1日でどれほど値が動くのか?海外ETFで確認してみた
ということで前回有事の際に株価が1日でどれほど動くのか確認しましたが、これらのETFがその後どういう値動きをしたのかを今回確認してみようと思います。期間はEU離脱投票の週6/20から8/5で調べてみました。
海外ETFの債券関連の値動き
まず債券関連の値動きから比較対象としてS&P500もグラフに追加しています。
- バンガード米国トータル債券市場ETF(BND)
- バンガード米国長期債券ETF(BLV)
- iシェアーズ米ドル建て投資適格社債(LQD)
- iシェアーズ米国国債20年超ETF(TLT)
- バンガード・トータル・インターナショナル債券ETF(BNDX)

S&P500ほどではありませんが、債券関連のETFも値上がりしています。米国債券で絞ると値上がり幅はTLT(長期債)>BLV(長期債)>LQD(社債)>BND(トータル債券)ということでボラティリティが高い順に値上がり幅が大きいです。
ただし、直近の株価が好調なためアメリカの利上げが近いと思われたせいか債券ETFはここ数日下落しています。
では、株式はどうなのか、米国株、米国株セクター別、米国外&全世界の3つの観点から調べてみました。
海外ETFの米国株関連の値動き
- iシェアーズ・コア米国高配当株ETF(HDV)
- バンガード米国増配株式ETF(VIG)
- バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)
- バンガード スモールキャップETF(VB)

小型株や高配当株を比較してみましたが、小型株(VB)やVTIは好調です。VIGやHDVはボラティリティが低い分値上がり幅は小さくなっています。HDVが直近で不調なのは原油価格下落でエネルギーセクターが不調なためと思われます。
次に米国株主要セクター別で見てみました。
海外ETFの米国株関連(セクター別)の値動き
- バンガード米国生活必需品セクターETF(VDC)
- バンガード米国ヘルスケアセクターETF(VHT)
- バンガード米国公益事業セクターETF(VPU)
- バンガード米国金融セクターETF(VFH)
- バンガード米国エネルギー・セクターETF (VDE)

米国株をセクター別で見ますとかなり差があります。年初で大きく下がったヘルスケアセクターは大きく上昇しました。イギリスのEU離脱で金融株は大きく下げたのですが、その後相場が落ち着いて回復傾向です。
逆にEU離脱直後に大きく上げていてた公益事業セクターと生活必需品セクターはここにきて下落気味ではあります。エネルギーセクターは原油価格が下がったためその影響を受けています。
では、米国以外の株式はどうなのでしょうか?
海外ETFの米国外・全世界株式の値動き
- バンガードトータルワールド ストックETF(VT)
- バンガード・FTSE・ヨーロッパETF(VGK)
- バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF (VWO)
- バンガード・FTSE・先進国市場(除く北米)ETF (VEA)
- バンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)スモールキャップETF(VSS)

新興国株式VWOが好調ですね。中国株式はそこまで上がっていないのですが、他の国であがっているのでしょうね。そして、VTのパフォーマンスより好調なのがVWOとS&P500で、欧州株VGKのみマイナスですのでEU圏内はイギリスのEU離脱の影響が大きかったと言っていいでしょうね。
各カテゴリを見ていきますと株式も債券も上昇していることがわかりました。これが半年1年となるとどうなりますかね?来年は何かが起こる末尾7の年ですし。データを積み上げていくという意味で1年経った後もどうなったのか、このETFの値動きを検証してみようと思います。



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